トヨタ生産方式
製品開発方式の続きで、トヨタ生産方式に関する本をいくつか読んでみた。ふと思うと、製品開発と生産そして販売は、すべてうまくいかないといけない気がしてきた。半導体産業だと、チップの設計と製造は2つに分かれている。しかし、Intelのような強い企業は、どちらもやっている。各部門の平均的な力を一流レベルに上げる努力が必要ということなのだろうか?当然、最終段階の販売方式まで考えないといけないのは言うまでもないと思う。
- トヨタ生産方式――脱規模の経営をめざして
- 久しぶりに原点であるトヨタ生産方式の原典を読んだ。いくつかメモ
- 生産ラインなのに、なぜを5回繰り返し根本原因を探求しようとしている。たとえば、どうすれば複数の機械を一人で面倒が見れるか等を根本原因までさかのぼって考えている。
- 生産現場は、まず作業の流れの改善から行い、実質的な働き割合を上げることに注力する
- 常識を疑い、金型取替えの段取り時間を2時間から3分まで短縮し、小ロット生産を可能にした。それにより、無駄な在庫が減り、在庫管理が無くなった。
- 後半部分は、豊田佐吉からのトヨタ自動車工業までの歴史を、トヨタ生産方式のルーツという観点で振り返っている。
- 創業当初から、お客様の出せる値段の車を出そうとしてきたことが今更ながらわかった。これが、原価計画の源流になっているのだとは思うが
- 久しぶりに原点であるトヨタ生産方式の原典を読んだ。いくつかメモ
- トヨタ式 カイゼンの会計学
- 会計観点の本。元トヨタ生産調査部部長の方が書かれたらしい。一言で言うと、棚卸利益率を最大にするのが、トヨタ生産方式と理解した。このため棚卸回転率(時間の短縮)および単品の利益率(利益の改善)両方を改善していく必要があるように感じた。そして、棚卸資産そのものが運転資金に該当するということを知ってなるほどなと思った。
- Q(品質)を確保し、D(納期)を追求すれば、C(利益)は後からついてきる。そして、現場に 、Cだけを押し付けると現場が疲弊する。これにより、少ない資本でも早くまわせば大資本と互角に戦える。
- 段取り変えの回数を減らすくらいなら、小ロット多回生産を維持したまま、段取り取替え費用そのものを安くする工夫をするほうが改善としては現実的。
- ビジネスでは「速く作って、速く売る」ことが鉄則。
- http://merc.e.u-tokyo.ac.jp/mmrc/dp/pdf/MMRC208_2008.pdf
- 株式会社 Jコスト研究所 代表:田中正知 J-Cost Research Center
- 会計観点の本。元トヨタ生産調査部部長の方が書かれたらしい。一言で言うと、棚卸利益率を最大にするのが、トヨタ生産方式と理解した。このため棚卸回転率(時間の短縮)および単品の利益率(利益の改善)両方を改善していく必要があるように感じた。そして、棚卸資産そのものが運転資金に該当するということを知ってなるほどなと思った。
- トヨタ生産方式の逆襲 (文春新書)
- 生産調査部にいらっしゃって、独立された方が書かれた本。
- この手の本を見ると、QCDって、大事だよねと思う。品質とコストが大事という会社が多いが、納品時期も大事なのに納得する。
- 生産調査部にいらっしゃって、独立された方が書かれた本。
- 君臨する企業の「6つの法則」―戦略のベストプラクティスを求めて
- クスマノ教授が書いた本。企業例としては、トヨタやマイクロソフトが挙げられている。その意味では、ソフトウェア産業でも役に立つのかもしれない。
- 製品だけでなくプラットフォームも重視する。APIを公開して、全体としてイノベーションを推進するか、囲い込んで垂直統合でイノベーションを推進していくかという話があり、面白い。普通は囲い込めないので、APIをどこで出すかという話になるのかもしれない。
- 製品だけでなくサービスも重視する。サービスによりコモデティ化を避けるとともに、新たな収益基盤としていくということらしい。
- 戦略だけでなくケーパビリティも重視する。ケーパビリティは、組織能力の気がした。リバースエンジニアリングから地道に能力を上げてきたトヨタと、海外の技術導入を行い一気に立ち上げた日産の比較などがあり参考になる。とはいえ、一気に導入することが悪いわけではないとして、マイクロソフトのDOSの導入等の例を挙げている。結局のところ、ビジネス状況に応じて学習する組織が良いということなのだろうか?
- プッシュだけでなくプルも重視する。いわゆる需要に合わせてすばやく作るということであろうか?市場がないところに入り込むには、プッシュ戦略が有効だが、需要があるところでは、在庫を適正化すると言う意味でも、プル戦略は有効である。例としては、トヨタ生産方式と、マイクロソフトのアジャイル開発(同期型?)が上げられていた。ある意味スピード重視の戦略ともいえるかもしれない。
- 規模だけでなく範囲も重視する。フォード、GM、トヨタへの流れる歴史は、規模の経済だけでなく小回りの聞く組織である範囲の経済の要素もあった。このため、多能工のように小回りの効く能力を育成しておくべきとのことである。たとえば、アプリケーションソフトだといろいろな部分の開発があるので、いろんな開発の間口を広げておく必要があるのかもしれない。
- 効率性だけでなく柔軟性も重視する。時代の波に乗っていくという感じだろうか?時代によって価値基準が変わっていくのだからある意味当然。とはいえ、アンテナできちんと受信するのは難しい。
- クスマノ教授が書いた本。企業例としては、トヨタやマイクロソフトが挙げられている。その意味では、ソフトウェア産業でも役に立つのかもしれない。