波乱の時代 下巻

FRB議長アラン・グリーンスパンの自伝の下巻である。下巻はグリーンスパンの経済観を披露している。このため、世界のトップの経済の見方を知るのには大変役に立つ。この本は、是非読んでおきたい。そして個人的には星5つであった。また、この本の原書(英語)は、200万語使っているらしく、英語の練習には大変役に立つかもしれない。
この本は、アダムスミスの時代の経済学勃興期から、BRICsの経済状況、自由化と規制の長所短所を経て、未来を見通すという流れになっている。BRICsでは、インドが労働法制が厳しくて規制がかからない10人以下の会社が多く大会社が存在しにくいなどいろいろ参考になることが書いてあった。さすがFRB議長だけあって知識の豊富さは、並外れている。
また、宮澤首相は、この10年の経済低迷は日本の各個人の面子などがあり、甘んじて受け入れるしかなかった。そして、米国のような企業を破綻させて急速に経済を再生させることは、出来なかったとコメントしている。日本のマインドセットが10年にわたる経済低迷を招いたとは知らなかった。
面白かったのは、日本の年金は破綻していると思うがと日本の高官に聞いても、国民は年金切り下げを国益を考えて甘んじて受け入れる。などとのんきな話が出ていた。こんな話は、日本のマスコミは絶対取り上げないだろう。

波乱の時代(下)

波乱の時代(下)