Webエンジニアのためのデータベース技術[実践]入門
この本は、かなり基本的なところから、最新技術のところまで書いてあり、大変参考になった。たとえば、Excelでは何故だめなのかから始まっているにもかかわらず、最後はNoSQLの話まで言及している。とはいえ、もともとの話が、Linux上のMySQLの話をベースにしているためか、そこに若干偏っている気がしなくもない。この手の話は、バックグラウンドのデータベースに依存するのはいつものことなのであるが。
インデックスの話では、B treeに比べ、B+ treeがなぜ良いのかという話や、ハッシュインデックスの有効性とその限界まで話している。
ストレージ技術では、SSDやネットワーク帯域とデータベースの性能の話がある。たとえば、以下の性能が出てくる。ただし、これらはインメモリでの処理で高速化している場合で、ネットワーク帯域だけがボトルネックとした場合である。
MySQLの設定や管理およびソースコードへの手の加え方等々技術力アップに関する話ものせている。
最後にSQLとNoSQLの使いどころの話をしている。SQLを使った場合と使わない場合の性能差についても言及しており、参考になる。
因みに、ベースとなった原稿は、2008年から2011年までのSoftware Designや、Web+DB Pressの記事とのことであった。
Webエンジニアのための データベース技術[実践]入門 (Software Design plus)
- 作者: 松信嘉範
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2012/03/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ここで引用しているデータモデリングの推薦本は以下
とはいえ、単にデータベースアーキテクチャという話であれば、以下が参考になる。ただし、こちらは、PostgreSQLベースである。これを見ると、AWSのJames Hamilton氏もデータベース界の重鎮なのかな?と思ってしまう。
http://db.cs.berkeley.edu/papers/fntdb07-architecture.pdf
そして、データベースの歴史まで見るならば以下が参考になる。こちらは、もともとはReadings in Database Systemsの冒頭に収められている論文である。
http://people.csail.mit.edu/tdanford/6830papers/stonebraker-what-goes-around.pdf