渋滞学

渋滞学といっても、交通、ネットワーク、お金など多岐に渡る渋滞の話を、離散数学と実証の観点から解明している。従来からの渋滞を分析する理論としては、待ち行列理論があったが、人の実際の動きの緩慢さが入っていなかった。この影響を考慮に入れて、離散数学の一例であるセルオートマンの手法を使って解析していく。それにしても、さまざまな情報が役に立った。

  • 信号が青になってから自分の車が動き出すのは、20キロメートルで伝播してくる。このため、1台当たり1.5秒の遅延が発生する。
  • 高速道路の渋滞時は、走行車線のほうが、追い越し車線より平均速度が高い。
  • 飛行機は、90秒以内にすべての乗客が出られるように、脱出口が設計されている。
  • 地下街は、建築基準法により30メートル以内に出口があるので、あわてなくても、20秒程度で出口は見つかるはず。
  • パイこね変換は、計算機は不得意であり、ゼロになってしまう。

パイこね変換 - 一寸の虫に五寸釘
計算機の登場により始まった、離散数学は果実が実ってきているようである。その代わり、微分積分などの連続系の数学は、多少影が薄くなっているみたい。

渋滞学 (新潮選書)

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